なぜ高温期は甘いものが止まらない?イライラと眠気の意外な正体

排卵が終わって高温期に入ると、「なぜか無性にイライラする」「甘いものが止まらない」「体が重だるくてやる気が出ない…」「やたら眠い…」そんな不調に悩まされていませんか?

「いつものPMS(月経前症候群)かな」と見過ごしてしまいがちですが、原因の根底にあるのは、知らず知らずのうちに起きている「血糖値のコントロールエラー」かもしれません。

高温期の血糖値の乱れは、単にイライラや不調を招くだけでなく、自律神経を乱して、妊活に重要な「子宮や卵巣の血流」にまでダメージを与えてしまう盲点でもあるのです。

今回は、高温期特有の不調と血糖値の意外な関係、そして今すぐできる3つのケア方法について解説します!


なぜ高温期に不調が起きるの?鍵を握る「インスリン抵抗性」

排卵後の高温期には、妊娠を維持するために「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンが多く分泌されます。このプロゲステロンには、実は「血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを鈍らせてしまう(=インスリン抵抗性を高める)」という厄介な働きがあるのです。つまり、いつもよりインスリンがサボりがちになり、血糖値が下がりにくくなってしまいます。

血糖値が下がりにくくなると、体は「もっとインスリンを出して血糖値を下げなきゃ!」と焦り、インスリンを過剰に分泌してしまいます。その結果、今度は上がった血糖値が急激に下がる「血糖値スパイク(乱高下)」が引き起こされてしまうのです。

「高温期になると無性に甘いものが食べたくなる」「食後に耐えがたい眠気やだるさに襲われる」という現象は、この血糖値の乱高下によって脳や体がエネルギー不足を起こしているサインです。


血糖値の乱れは「自律神経」を狂わせ、妊活の足を引っ張る

血糖値が急激に下がると、脳は「エネルギーが足りない!危険だ!」と判断し、血糖値を無理やり上げるためにアドレナリンなどのストレスホルモンを分泌します。

すると、自律神経の「交感神経(戦闘モードのスイッチ)」が強制的にONになってしまいます。これが、高温期に理由もなくイライラしたり、不安になったり、眠れなくなったりするメンタル不調の正体です。

さらに、妊活において見過ごせないのが「血流への大ダメージ」です。

交感神経が優位になると、全身の血管がキュッと縮み、大切な脳や心臓に血液を優先して送ろうとします。その結果、子宮や卵巣がある「骨盤内の血流」がガクンと低下してしまうのです。

せっかくの着床期(高温期)であるにもかかわらず、子宮や卵巣に十分な血液が届かなくなると、栄養やホルモンを届ける道が閉ざされてしまうので、子宮内膜の環境や、次の周期に向けた卵子の発育にまで悪影響を与えてしまうリスクがあります。

💡 「そもそも血糖値が乱れると、なぜ卵子や子宮に悪影響があるの?」と気になった方は、まずはこちらの基本の記事を読んでみてくださいね。 🔗 【実は妊活に必須】「血糖値コントロール」の基本


諦めなくて大丈夫!高温期の不調を乗り越える3つのケア

高温期は体がインスリンを効きにくくしている時期だからこそ、普段以上の「血糖値を急上昇させない工夫」が大切。そこで、今日からできる3つのケアをご紹介します。

①「低GIのおやつ」で賢く補食する

高温期は空腹感が出やすく、次の食事でドカ食いして血糖値を急上昇させがちです。お腹が空いてイライラする前に、ナッツ、ゆで卵、小魚、高カカオチョコレート(カカオ70%以上)などを少し口にして、血糖値を一定に保ってあげましょう。

②「食べる順番」をいつも以上に徹底する

食事の際は、お米やパンなどの炭水化物をいきなり口にせず、【野菜・海藻(食物繊維)】→【肉・魚・卵(タンパク質)】→【ご飯(炭水化物)】の順番を意識してください。これだけで糖の吸収スピードが緩やかになり、食後の強烈な眠気やだるさを防ぐことができます。

③リラックスタイムを作り、交感神経を落ち着かせる

血糖値の乱れによって高ぶってしまった交感神経をゆるめるために、夜はぬるめのお風呂に浸かる、軽いストレッチをする、深呼吸をするなど、意図的に”ホッとする時間”を作りましょう。交感神経が緩むことで血管が広がり、子宮や卵巣の毛細血管も開きやすくなります。


まとめ:イライラやだるさは「血糖値のコントロールエラー」のサイン

高温期の心と体の揺らぎは、体内で血糖値のエラーが起きていることを教えてくれる貴重なサインです。

「イライラする」「些細なことで落ち込んでしまう」など、メンタルに影響が出る方も少なくないですが、体質だと諦めたり、自分の心の弱さを責める必要はありません。がんばる自分を責めるのをやめて、まずは体からの小さなSOSに耳を傾けてあげてくださいね。

ここを上手にコントロールできるようになれば、自律神経が安定し、子宮・卵巣内にも血流が届きやすくなります。

また、高温期の不調を改善するためのもう一つのポイントは「高温期にしっかりと体温を上げること」。この内容については別のコラムで改めてご紹介しますね!


吉田 菜月

妊活専門鍼灸師
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)

《専門分野》
妊活鍼灸|不妊治療サポート|マタニティ鍼灸|産後ケア|自律神経治療|栄養サポート

東京衛生学園専門学校を卒業後、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)を取得。

保育士として療育に携わるなかで、子育てに関わる大人の心身の健康を支えたいという想いが原点となりました。妊娠前からの体質改善は、産後の健康や育児のゆとりを左右する大切な土台です。妊活から産後まで、心身の健康をサポートできるよう日々の施術に取り組んでいます。

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